黒田義正さんのモダンスパニッシュモデルのギターに関して常々思う事。
コンサートギターとしての評価が低すぎます!!!
キャパ500人位までの音楽ホールでは、世界でもトップクラスの実力を発揮するギターだと勝手に思っています。
ひたすら広いホールで小さく音が届くだけのギターでは無く、響きの良いホールでしっかりと音楽が聞こえるギターなのです。
パワフルな重たく鈍い音がドスンドスンと出る様なギターでは無いのです。
エッジの効いた軽やかな美音が適度な残響のあるホールでは鳴り響くギターです。
そして弾き心地が良いのです。
弦の感触は柔らかく適度に芯があります。
反応は早くて穏やかです。
ひたすら軽やかな発音です。
音量のコントロールが楽で、音色の変化も付けやすい。
音色・音質に関しては人それぞれ好みがありますが、私は大好きな音色・音質です。
軽やかで艶やかでひたすら美しい。
適度な響きが気持ち良い。
黒田義正さんのモダンスパニッシュギターが、コンサートギターとして正しく評価されない理由。
理由その①
販売店が「木質系の心地良い音」とか「パワーは無いが美音」などのコメントをギターの紹介欄に書きがちだから。
いやいや、「木質系」な音って何???
ガットギターなんてみんな木質系な音でしょう。
それに音量はかなりあります。
持っているギター(過去に持っていたギターも含めて)の中でも、フレドリッシュの次くらいに音量はあります。
このコメントのせいで、コンサートギターでは無くアマチュアが家で楽しむギターって印象が強くなってしまっています。
理由その②
黒田さんのギターは固定モデルがほとんど無く、1台ごとに違う着地点を目指して作られているので、ギターの性格のイメージが固定しずらい。
評判の良い小型トーレスモデルの印象が強いんでしょうねえ。
元々黒田さんのモダンスパニッシュモデルは、パワーで音を届かせるタイプでは無く、ホールで響くタイプのギターです。
黒田さんのギターが、実際にホールで鳴り響くのを体験しないと、この感覚は理解してもらえないかなあ、、、
理由その③
かなりガッチリと固めに作られているため、出来たての状態だと鳴りづらいし響きづらい。
これは全ての手工ギター共通事項ではあります。
重かったり、柔らかかったりするギターだと、出来たてでもパワーで鳴らせます。
軽くて強固な黒田さんのモダンスパニッシュギターは、この状態だとパワーで鳴らそうとしてもビクともしない。
数年経って弾き込まれた状態になっても、弦を押し込み過ぎる変なタッチで弾くと美しく響かない。
他にも「特定の楽器屋さんお抱え製作家で無い」とか「有名演奏家がコンサートで使っていない」とか「製作のメインが19世紀ギターのためモダンは本数が少ない」等色々と理由はあります。
でもこの過小評価のお陰で、意外と安いお値段で中古の黒田モダンギターが手に入ったりします。
1年近く前に、お買い得価格の黒田モダンギターを3台弾き比べて、一番音が引き締まっていた1台を購入しています。
「世の中にはブーシェの名をモデルにしたギターがかなりありますが、、、」
他の2台もタイプは違いますが魅力的なギターでした。
お値段もムッチャお買い得です。
なのに未だに売れていない。
ほいじゃあ自分で買っちゃいましょう!!!
この前売れたギターの代金がまだ余ってますからね。
2台の黒田モダンギターを弾き比べて、すでに所有している黒田モダンとよりタイプの違う方を買っちゃいました。
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アームレストは自分で付けた脱着式の物です。
見た目は黒田さんのモダンスパニッシュギターとしては、標準的な物です。
弦長は650mmですが、やや小ぶりなボディです。
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2002年製
去年購入したのは2003年ですので同時期のギターと言って良いかも。
「modelo ex.」って事は単純に「特別モデル」って事かなあ?
黒田さんの事だからもっと深い意味がありそうです。
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スプルース表面板全面に細かな斑が入っています。
黒田さんはいつも良い感じの表面板を使いますねえ。
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裏板は標準的なローズウッド。
黒田さんはローズウッドの良さを知り尽くして作っています。
ハカランダでもメイプルでも黒アカシアでも、材質の良さを充分に引き出すギターを作っていますので材質は何でもOKです。
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標準的なトーレスヘッド
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口輪のセンスが素晴らしい!!
素朴さと古さと新しさが合わさって、目立たないけど斬新なデザインです。
中央に並ぶ丸は寄木では無く、金泥を筆で塗っています。
よく見ると一つ一つ形が違っていて微笑ましい。
あえてキレイに揃えない所が、古い時代のギターの良さを知り尽くしている黒田さんらしいです。
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ブリッジも標準的な黒田ギターの物です。
ダブルホールは便利で好きです。
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糸巻きはゴトーの廉価品。
ボタンは黒田さんが黒檀削り出しで作った物です。
見た目は良いのですが、ローラーがガタガタで音に悪い影響が出ていそうです。
これはシェラーへ交換して、はずした糸巻きは別途保存ですね。
ギターの内部はけっこう面白い事をしています。
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ファンブレーシングが基本の7本平行ブレーシング+エンドの逆ハの字。
中央の力木が貫通する様に設置された小さなピラミッド状の力木!!!
表面板に何かメモ書きみたいな物が見えます。
読めない、、、、
次に弦を張り替える時に再確認です。
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小さなピラミット型力木は上の方にも2個付いています。
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全体的にかなりガッチリと固めてある印象です。
ギターの印象は「1940年代に作られたニューコンセプトギター」みたいな感じですかねえ?
古い時代のスパニッシュギターの良さとヨーロッパの現代的なギターの操作性・音量の良い所とりなギターです。
高音はエッジの効いた軽やかな美音。
響きはかなり多いです。
低音も適度に軽いエッジの効いたガッチリした音。
発音は早くて軽やかでコントロールが楽です。
ダイナミックレンジは大きい。
絶対的な音量もかなりあります。
去年買った2003年の黒田モダンスパニッシュギターと比べると、音色・音質は2003年の方が音が引き締まっていて良さげです。
今回買った2002年の方がダイナミックレンジも大きく、反応が開放的でコントロールしやすい。
音量がかなりあり、響きも豊富。
色々と攻めた演奏がしやすく、またミスも出ずらいです。
しばらくはこの2台がメインギターになるのかなあ?
山本さんの猫ギターもホアン・ミゲル・ゴンザレスのトーレスレプリカも最近鳴りまくっていて良い感じです。
今月後半にはフランスのダニエル・ルッシューも修理から戻ってくしねえ。
メインギター候補が多すぎて迷走してしまうなあ。
楽しいけど本当にアホだなあと自分でも思ふ。
コンサートギターとしての評価が低すぎます!!!
キャパ500人位までの音楽ホールでは、世界でもトップクラスの実力を発揮するギターだと勝手に思っています。
ひたすら広いホールで小さく音が届くだけのギターでは無く、響きの良いホールでしっかりと音楽が聞こえるギターなのです。
パワフルな重たく鈍い音がドスンドスンと出る様なギターでは無いのです。
エッジの効いた軽やかな美音が適度な残響のあるホールでは鳴り響くギターです。
そして弾き心地が良いのです。
弦の感触は柔らかく適度に芯があります。
反応は早くて穏やかです。
ひたすら軽やかな発音です。
音量のコントロールが楽で、音色の変化も付けやすい。
音色・音質に関しては人それぞれ好みがありますが、私は大好きな音色・音質です。
軽やかで艶やかでひたすら美しい。
適度な響きが気持ち良い。
黒田義正さんのモダンスパニッシュギターが、コンサートギターとして正しく評価されない理由。
理由その①
販売店が「木質系の心地良い音」とか「パワーは無いが美音」などのコメントをギターの紹介欄に書きがちだから。
いやいや、「木質系」な音って何???
ガットギターなんてみんな木質系な音でしょう。
それに音量はかなりあります。
持っているギター(過去に持っていたギターも含めて)の中でも、フレドリッシュの次くらいに音量はあります。
このコメントのせいで、コンサートギターでは無くアマチュアが家で楽しむギターって印象が強くなってしまっています。
理由その②
黒田さんのギターは固定モデルがほとんど無く、1台ごとに違う着地点を目指して作られているので、ギターの性格のイメージが固定しずらい。
評判の良い小型トーレスモデルの印象が強いんでしょうねえ。
元々黒田さんのモダンスパニッシュモデルは、パワーで音を届かせるタイプでは無く、ホールで響くタイプのギターです。
黒田さんのギターが、実際にホールで鳴り響くのを体験しないと、この感覚は理解してもらえないかなあ、、、
理由その③
かなりガッチリと固めに作られているため、出来たての状態だと鳴りづらいし響きづらい。
これは全ての手工ギター共通事項ではあります。
重かったり、柔らかかったりするギターだと、出来たてでもパワーで鳴らせます。
軽くて強固な黒田さんのモダンスパニッシュギターは、この状態だとパワーで鳴らそうとしてもビクともしない。
数年経って弾き込まれた状態になっても、弦を押し込み過ぎる変なタッチで弾くと美しく響かない。
他にも「特定の楽器屋さんお抱え製作家で無い」とか「有名演奏家がコンサートで使っていない」とか「製作のメインが19世紀ギターのためモダンは本数が少ない」等色々と理由はあります。
でもこの過小評価のお陰で、意外と安いお値段で中古の黒田モダンギターが手に入ったりします。
1年近く前に、お買い得価格の黒田モダンギターを3台弾き比べて、一番音が引き締まっていた1台を購入しています。
「世の中にはブーシェの名をモデルにしたギターがかなりありますが、、、」
他の2台もタイプは違いますが魅力的なギターでした。
お値段もムッチャお買い得です。
なのに未だに売れていない。
ほいじゃあ自分で買っちゃいましょう!!!
この前売れたギターの代金がまだ余ってますからね。
2台の黒田モダンギターを弾き比べて、すでに所有している黒田モダンとよりタイプの違う方を買っちゃいました。

アームレストは自分で付けた脱着式の物です。
見た目は黒田さんのモダンスパニッシュギターとしては、標準的な物です。
弦長は650mmですが、やや小ぶりなボディです。

2002年製
去年購入したのは2003年ですので同時期のギターと言って良いかも。
「modelo ex.」って事は単純に「特別モデル」って事かなあ?
黒田さんの事だからもっと深い意味がありそうです。

スプルース表面板全面に細かな斑が入っています。
黒田さんはいつも良い感じの表面板を使いますねえ。

裏板は標準的なローズウッド。
黒田さんはローズウッドの良さを知り尽くして作っています。
ハカランダでもメイプルでも黒アカシアでも、材質の良さを充分に引き出すギターを作っていますので材質は何でもOKです。

標準的なトーレスヘッド

口輪のセンスが素晴らしい!!
素朴さと古さと新しさが合わさって、目立たないけど斬新なデザインです。
中央に並ぶ丸は寄木では無く、金泥を筆で塗っています。
よく見ると一つ一つ形が違っていて微笑ましい。
あえてキレイに揃えない所が、古い時代のギターの良さを知り尽くしている黒田さんらしいです。

ブリッジも標準的な黒田ギターの物です。
ダブルホールは便利で好きです。

糸巻きはゴトーの廉価品。
ボタンは黒田さんが黒檀削り出しで作った物です。
見た目は良いのですが、ローラーがガタガタで音に悪い影響が出ていそうです。
これはシェラーへ交換して、はずした糸巻きは別途保存ですね。
ギターの内部はけっこう面白い事をしています。



ファンブレーシングが基本の7本平行ブレーシング+エンドの逆ハの字。
中央の力木が貫通する様に設置された小さなピラミッド状の力木!!!
表面板に何かメモ書きみたいな物が見えます。
読めない、、、、
次に弦を張り替える時に再確認です。


小さなピラミット型力木は上の方にも2個付いています。



全体的にかなりガッチリと固めてある印象です。
ギターの印象は「1940年代に作られたニューコンセプトギター」みたいな感じですかねえ?
古い時代のスパニッシュギターの良さとヨーロッパの現代的なギターの操作性・音量の良い所とりなギターです。
高音はエッジの効いた軽やかな美音。
響きはかなり多いです。
低音も適度に軽いエッジの効いたガッチリした音。
発音は早くて軽やかでコントロールが楽です。
ダイナミックレンジは大きい。
絶対的な音量もかなりあります。
去年買った2003年の黒田モダンスパニッシュギターと比べると、音色・音質は2003年の方が音が引き締まっていて良さげです。
今回買った2002年の方がダイナミックレンジも大きく、反応が開放的でコントロールしやすい。
音量がかなりあり、響きも豊富。
色々と攻めた演奏がしやすく、またミスも出ずらいです。
しばらくはこの2台がメインギターになるのかなあ?
山本さんの猫ギターもホアン・ミゲル・ゴンザレスのトーレスレプリカも最近鳴りまくっていて良い感じです。
今月後半にはフランスのダニエル・ルッシューも修理から戻ってくしねえ。
メインギター候補が多すぎて迷走してしまうなあ。
楽しいけど本当にアホだなあと自分でも思ふ。