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Channel: 腱鞘炎(ジストニア)日記
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1ヶ月経ちました。

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退院してから1ヶ月が経ちました。
まだ1ヶ月かあ、、、
もっと前の出来事の様な気がしています。

入院中はちょっと生々しくて書けなかった事。

最初の緊急カテーテル手術の時
手術担当の医師から手術前に「危険な状態」と説明されました。
「最悪の場合」って話も出ました。
ヤバイ状態なんだあ。。。

部分麻酔で意識がある状態での手術。
手術中に「このまま死ぬのかなあ」なんて考えていました。
このまま死んだら誰にも連絡出来ないから困るよなあ、、、
でも死んでしまえばそんな事はどうで良いか。

最悪の事態が起きて死んでしまってもそれはそれでしかたがないかなあ。。。
生きていればそれなりに楽しい事もあるけど、この歳になるとそんなに生きることに未練とか無いみたいです。

それでも、自分が簡単に諦めてしまっている事が、なんだかとっても良くない事のように感じて何か未練は無いかと色々と考えました。
何か「死にたくない」「生きていたい」って思える事は無いのか???

せいぜい「うみゃいカレー食いたい」とか「本マグロのうみゃいの食いたい」とかそんな程度の事しか思い浮かばない。

ひとつ思いつきました。

「ギターがこんなに下手くそになったまま死にたくない!!!」

ジストニアになる前もたいしてギター弾けてた訳ではありませんが、それでも今よりはかなり普通にギター弾けていました。
不様な演奏しか出来なくなった状態のまんま死にたくないのです。
そう思ったら強烈に「まだ死にたくない!!」って思ってしまった。

死にたくないって思えたせいか、そのまま死んでしまう事も無く手術も終わり、(その後危ない状態はありましたが、、)無事に退院して2週間前から社会復帰しています。
良かった良かった!!!


無事退院はしましたが、退院したからと言って残念ながらギターが昔のように弾ける様になった訳でもなく、、、
それどころか退院した時は、まるで「初めてギターを手にした人」の様にまったく指が動かなくなっていました。
1ヶ月掛けて少しづつ動くようになってきていますが、まだまだゆっくりしか動かないし、収まっていたジストニアの症状も少し復活してしまっています。
3回手術して1ヶ月ちょっと入院して体力が落ちているのだからしかたがないです。

ギター以外でも、ゆっくりとしか歩けなかったり、すぐに疲れて休みの日は一日中寝ていたり、、、

早く体力を回復して完全復活したいもんですなあ。



こんな物を買っています。

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退院してから4ヶ月経ちました。
まだ生き延びていますう!!!!

退院時に「まるで初めてギターを触った人」の様にまったくギターが弾けなくなっていたのですが、、、、

「6ヶ月後には普通にギターが弾ける位まで復活しよう」

なんて思っていました。
4ヶ月経った今の状態。

「ギターを初めて4ヶ月目の人程度にはギターが弾ける」

そのまんまだなあ、、、


あんまり指が動かないのでギター弾くのが嫌になってしまっています。
気分転換にこんな物を購入です。




小さな棺桶???

中身は機関銃でも銀行から強奪した金貨でもありません。
フランコ・ネロと一緒に底なし沼に沈んだりもしません。


箱の中身はこんな物です。
19世紀末のラミーのマンドリンです。


表面板一面に施された螺鈿細工がオサレです。
さすがおフランスのマンドリンです。


裏側も美しい!!!
こんな見た目のカブトムシがいた気がする。。。。

音も美しい!!!
マンドリンらしくない音かも?
19世紀ギター的な音です。

マンドリンって面白い!!!!
すっかりハマってしまった。
ギターを弾く時間よりもマンドリンで遊んでいる時間の方が長くなってしまった。


ただしこのはマンドリン音程が悪すぎる。
そして無茶苦茶に弾き辛い。

マンドリン専門店へ持ち込んで修理・調整の相談をしました。

「指板交換」が必要との事です。
ただし「交換する指板は今の物よりも厚くなる」なんて恐ろしい事言われました。
音が変わる!!!

それじゃあ修理じゃ無くて改造ですねえ。
マンドリンの修理の場合は、オールドの楽器を現代風改造する事が普通の様です。

とりあえずブリッジ、ナットの製作とフレット調整だけの場合と本格的に改造する場合の2パターンの見積もりを頼んで来ました。
1週間経つけどまだ見積もりは出てきません。
修理は依頼してから半年位掛かるそうです。


そんな訳で手元にマンドリンが無くなってしまった、、、
練習用のマンドリンが欲しいかも?



ヤフオクで落札してしまった、、、、
コテコテにど派手なイタリアの19世紀末のマンドリンです。
フェラーリのマンドリン。
初心者向けのマンドリンをそこそこの予算で買う(初心者向けのマンドリンは意外と高い!!!)のだったら、もう少し予算を出してこの手の楽器を買う方が面白いのです。


どう見ても蛾にしか見えませんが、触角が細いので蝶のつもりなんでしょうねえ。

すでに改造済みの楽器で指板は交換済み、剥がれ等の修理もしてあります。
そのまんま使えます。
ラミーと比べるとムッチャ弾きやすい!!!

最初は鳴っていなくて「それなりの楽器かな?」なんて思っていましたが、10日間弾き込んだら鳴りが良くなってきました。
響きが良くなってきて楽しい楽器に変わって来ました。
ほとんど弾かれていない楽器の様ですので、今後弾き込むとさらに変わってくる予感がします。


まずいよなあ、、、
マンドリンって色々と面白いんですよねえ。
ギターに比べると小さくて置き場所も取らないし、値段も安いしねえ。
無名のフェラーリのマンドリンがこんなに良いと、「有名な楽器はどれだけ良いんだろう???」なんて思ってしまう。

危険だあ!!!!

2019年 今年の振り返り

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2019年 今年の振り返りです。

死ななくて良かったあ!!!

以上。。。

それ以外には無いでしょうねえ、、、、


来年の目標

生き延びる!!!

以上。。。。



死にかけてもアホなのは直っていません。

今年も色々とお買い物しましたが、死にかけた後のお買い物です。




チェ・ヒョクさんのギター




ラチス構造です。
死にかけた後、弦を弾いて音を出す筋力も残っていなくて、、、
リハビリ用に購入したギターです。
均一な音質でコツンコツンと鳴ってくれます。



アホなのでリハビリギターをもう1台



川田一高さんのワッフルバー
基本的に川田さんのギターが好きなんですよねえ。。。
杉+ローズの組み合わせで比較的グレードは下のギターです。
川田さんの値段の高いギターも色々と弾いてみましたが、これが一番ストレス無く開放的に鳴ってくれて良かった。
杉らしい太く柔らかい音色。
低音も悪くいないです。
戦闘能力が高い!!!


これまでは良いのです。
アホですがいつもの事です。


変な買い物をしています。








ラミーの19世紀末マンドリン
小さなボディのマンドリンです。
表面板全面に施された螺鈿細工がオサレです。
さすがフランスの楽器です。
コロコロっとした心地よい音色ですが、、、
ラミーらしく?音程がムッチャ悪い。
修理工房行きでしばらく戻って来ません。
修理代=楽器代
かなりお金を掛けてしまった。。。


2台目





ラミーが修理に出てしばらく楽器が無くなってしまうので練習用に購入です。
19世紀末のイタリアの楽器フェラーリです。
コテコテの装飾です。
見かけ倒し???
そこそこの楽器です。


3台目





ミケーレ・マラティア1896年

ラベルに堂々と「ヴィナッチャの弟子」って書いてあります。
見た目は地味ですが、音は素晴らしい!!!!
さすがヴィナッチャの弟子です。
名前の知られた楽器が欲しくて手に入れてしまいました。
何故かお値段は3台の中でダントツに安かった??
ラミーの1/3以下、フェラーリの半分以下
指板交換済みで表面板を含めて全体の修理も済みでこの購入価格!!
安すぎですなあ。


そんな訳でマンドリンを始めてしまいましたあ!!
何やっているんだかねえ。

少しダークな妄想

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終活の一環って訳では無いのですが、、、

「ギターの整理をしておかなければ!!!」

などと思っています。



最近マンドリンにハマってしまっていて、何か面白いマンドリンが出ていないかヤ〇オクをチェックしたりしています。
こんなパターンの出品がされているのを見かけます。



つい最近まで誰かが弾いていたのでは?って思えるキレイな状態のマンドリン。
邦人作家の比較的に安い手工品です。
ライトケースが付いて、換え弦が付いて、ピックが付いていて、場合によっては教本も付いていたりして、、、、

そして1円スタートだったりします。



これってほぼ間違いなく誰かの遺品ですよねえ、、、
もしかしたら孤独死した人の持ち物だったりして?


こう言うのを見ると明日は我が身だなあと思ってしまう。
孤独死した後の私のギター達はどうなってしまうんだろう???
死んだ後の事を心配しても仕方が無いのですが、、、、


ここからはダークな妄想に入ります。
ただの妄想です。


心臓の筋肉は私の意思と関係なく動いています。
動いているのが私の意思と関係無いのと同じく、私の意思と関係なく動くのを止まったりします。
入院中に一度、勝手に動くのを止めています。
そのせいで最新式のICDを埋め込まれましたが、どこまで効果があるのか疑問です。

夏の暑くて寝苦しい夜、唐突に私の心臓は動くのを止めてしまうかも知れない。
私は寝ているので心臓が停止しても気がつかない。
死んだ事に気がつかないで意識が無いまま寝り続けます。

たぶん誰にも気づかれないまま数ヶ月経ってしまいます。
私の体は溶けて形が無くなって、黒いタール状の物質に変容してしまいます。

ある日、家賃が滞納されている事と異臭がする事から管理会社の人が鍵を開けて入ってきて私の骨は発見されます。

数日後、大家さんが依頼した遺品整理業者が片付けと特殊清掃をしに現れます。
私の大事な大事なギター達は、粗大ゴミ同然に扱われて、1円スタートでヤフオクに出品されます。
売れ残ったギターは雨ざらしになって、朽ち果てて、ただの木っ端になり、シロアリのお昼ご飯になっていきます。

そうなってもタール状態の私にはどうする事も出来ないのです。


そんな事を考えてタール人になる前にギターを楽器屋さんの委託販売へ預け始めています。

普段使いのメインギターの山本さんの猫ギター




川田さんのワッフルバーギター




この2台と
一番好きなフレドリッシュのトーレスシステムのギター





この3台は死ぬまで持っていて、地獄まで一緒に持って行こうと思っています。


悩ましいのが



アンドレア・タッキのブーシェオマージュ
今まで出会った中でもっとも戦闘能力の高いギターです。
重低音と味わい深い音色の高音。
まるで古名器のような響き。
上から下まですべての音で音量もあります。
たまらなく好きなギターなんですよねえ、、、

ただ弦の感触が重くてまったく弾きこなせない。
もっとも粗大ゴミにしてはならないギターですよねえ、、、


そしてもう1台



ヒロキ・テラシマさんの超?コンセプトギター
逆削り出し表面板等、とにかく普通で無いギターです。
このギターも大好きなんですよねえ、、、

この2台は高めの価格設定で委託して、3年くらい生き延びたら持って帰ってこようかなあ????


ギターを預けに楽器屋さんへ行く度に、楽器屋さんにある他の在庫のギターを試奏しそうになって、頑張って自重しています。
アホですねえ。。。。。


最近の指の様子です。

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あまりにブログを放置しすぎていて、死んだと思われても困るので、、、

久しぶりの投稿です。
最近の指の調子です。

Zoom Q4nを買ったので録画してみました。


Dansa Valenciana by Vicente Asencio


TangoDanserie No 2 By John W Duarte


ギターはアンドレア・タッキを頑張って弾いています。
ミスは多々あります(アセンシオは後半はしょってますしね)が、右指の動きは依然よりも安定してきています。

普通に弾ける状態までは、まだまだ時間がかかりそうですが、少しづつ前進しています。

Lourdes・Uncilla・Morenoのギター

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確か、私はギターを減らしている最中だった様な気がするのですが。。。。

アホですな。

右指がまったく動いてくれないのをギターのせいにして、柔らかくて軽いギターを衝動的に購入です。
まだ申請書も届かない10万円(今日ようやっと申請書が届いた)と出るかどうか分からないナス(こちらも今日普通に出た)を当てにして購入です。



古風な見た目のギターです。



裏側は派手!!!
古楽器っぽい。



Lourdes・Uncilla・Moreno
日本語読みするとルールデス・ウンシージャ・モレノ
絶対に覚えられん。。。
モレノと言ってもルビーさん(←古い!!)では無く、古楽奏者ホセ・ミゲル・モレノの奥さんで、ミゲル・モレノさんの弾いているリュートとかバロックギター?とかを作っている人です。
最近名前がモレノさんでは無くなっているらしいです。
もしかして旦那さんと別れたの???

ブレーシングは横力木3本だけで19世紀ギター等と同じです。
ボディは小ぶりですが弦長は660mあります。

トーレス以前のスパニッシュギターの仕様で作られたギターです。
マニアックだあ!!

実はこの楽器4年前に一度新大久保の楽器屋さんで試奏しています。
楽器の状態が悪く表面板の中央の継ぎ部分が開きかけていました。
弦が柔らかくて反応が良くて弾きやすいけれど、音は軽くてパコンパコンと腰が抜けた様な音。
面白いギターだけど弾く曲は限られてしまう様な音でした。
値段もそこそこ高かったので、この時は試奏のみでした。

この楽器は一度は売れた様ですが、最近また楽器屋さんに戻って来て、コロナの影響で6月末まで特価(4年前の半額に近い!!!)になっていたのでまた試奏して来ました。

表面板の開きは修理済みになっていて、全体的に調整されていて凄く弾きやすくなっています。
きちんと修理された上に良く弾き込まれた様子で、太く柔らかい音で音量も十分にあるギターに変わっていました。
この状態で4年前のほぼ半額は安い!!!

購入決定です。
私は愚かに老いた年寄りですなあ。

購入してから4日間弾き込んだら楽器がさらに化け始めています。
弾いている本人が響きに包まれてしまう。
音も心地よい。
今まで弾いた中でもっともトーレスに近いギター。
でも音は枯れていない、まだまだ現役のギター。
久しぶりに楽しくてギターをいつまでも弾いてしまいます。

このギターを作ったルールデス・ウンシージャ・モレノは、古楽器の製作家です。
もしかしたら元になったギターが存在して、このギターはそのコピーモデルかも知れないです。
そうならば元になったギターの正体を知りたくなります。

とりあえずラベルをよく見てみます。



montada por Angel Benit Aguado

何だこりは????
スペイン語に堪能な方達に教えてもらいました。
「アンヘル・ベニート・アグアドにより作られた」
え~~~~~!!!!!
そうなのお????

以前、楽器屋さんで試奏したアンヘル・ベニート・アグアドのギターもボディが少し細くてブレーシングは19世紀ギターでした。
音は今回のギターよりも19世紀ギター寄りでしたけど、感触が何となく似ている。

アンヘル・ベニート・アグアドは1949年生まれ、13歳で最初のギターを独学で作って、マドリットの工房で修行、モレノノ夫妻と出会った後トーレス以前の楽器の特徴を持ったギターを作る様になったそうです。
若い頃はモレノ夫妻とコラボしてギターを作っていたとの記述がありましたので、このギターを実際に作ったのはアンヘル・ベニート・アグアドで間違い無いでしょう。
現在はホセ・ミゲル・モレノの使う古楽器は全てアンヘル・ベニート・アグアドが作っています。
ルールデス・ウンシージャ・モレノがこのギターの製作にどこまで関わったのかは不明です。
設計・監修をしていたのかも知れません。
もしかしたら若くてまだ無名だったアンヘル・ベニート・アグアドの作ったギターにルールデス・ウンシージャ・モレノのラベルを貼って販売していたのかも知れません。
スパニッシュギターの製作はアンヘル・ベニート・アグアドが担当だったなんて事もあり得ます。
シリアルナンバーがNo.15ですのでコラボし始めてから2年目位の初期ギターですかねえ。

これ以降はご本人に聞かないと分かりませんが、そこまではしなくても良いかな?
いずれにしてもアンヘル・ベニート・アグアドは想像していたよりもずっと名工だったって事はハッキリしました。

正体不明のギターを購入すると、色々と調べる楽しみが付いてきてお得です。

1年間生き延びた自分へのお祝いです。

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私は1年前に一度死んで、そして生き返りました。

詳しくはこちら
   ↓
「人生お初の!!!」

そんな訳で1年間生き延びる事が出来ました。
本当に良かったぁ!!!!

少ない心筋で(←かなり壊死しているらしい)頑張って動き続けている心臓へ感謝のプレゼント!!!
ギターを買ってあげましょう!!!

う~~~みゅうう。
心臓はギターもらっても別に嬉しく無いだろうなあ、、、

それでは「1年間生き延びた自分へのお祝い」って事でギターを買っちゃいましょう。
ギターを減らしている最中だった気もしますが、、、、
気のせいでしょう。

1年前の退院直後にリハビリ用ギターを探している時に試奏して凄く良かったあのギターをさっそく試奏してきました。



黒い!!!
表面板がむっちゃ黒い!!!!

川田一高さんのPresti-95-LP

結局私は川田さんのギターが好きなんですよねえ。
最後に1台、川田さんのグレードの高いモデルを買いたいって数年前から思っていました。
年齢的にも肉体的にも、今回が最後の1台(←新作のギターを手に入れるには)になります。


1年ぶりに試奏した川田プレスティですが、前回試奏した時は、魅力に満ちたギターだけど弾きこなすのはかなり厄介って印象でした。
今回弾いてみたら、驚くほど反応が良くなって凄く弾きやすいギターに変化していました。
6弦の開放弦を弾いた瞬間に大音量の重低音がグオーって鳴って、しかもそのまま減衰せずに鳴り続けます。
一瞬で心奪われました。

高音も柔らかさと強靱さを併せ持った魅力的な音です。

そのまま購入決定です。

試奏した翌日にギターの代金を振り込んで、5日後にお持ち帰りです。



シリアルNo.は1635
凄いなあ川田さんって、、、
去年の段階で、たった一人でこつこつと1635台もギターを作っています。
このまま作り続ければ、生涯製作本数は2000本を超えてしまいそうです。




表面板はレッドウッド(セコイア)
奥にある杉のSKW-45がスプルースに見えちゃう位に黒いです。
川田さんにメッセージで教えていただきましたが、「30年以上寝かせた材で、幅20cmに木目が300以上あり、両手で曲げようとしてもびくともしない強靱な剛性を持った木」との事です。
そのため音質は杉よりも引き締まった音で、スプルースよりも重たい音です。
深くほの暗い魅力ある音色です。





裏板は迫力ある見た目のハカランダ
側板はハカランダにメープルを内張りした合板
私は「ハカランダよりもローズが良い」派ですが、川田さんのギターに関しては「ローズ、ハカランダ、ココボロ、シャムガキにはそれぞれ良さがある」派に変わります。

ギターの重量は2.84kg位あります。
持っているギターの中では最重量です。





ヘッドのデザインが中々良いです。
カリンバール材のラインとヘッド上部に配された白蝶貝のインレイが格好良い!!





糸巻きは普通にゴトーですが、つまみは川田さん自作のカリンバール
それだけでゴトーなのに「残念感」の無い見た目になっています。
使い心地はゴトーなのでまったく問題無く良い感じです。


さて、自分の所有物にして家に持ち帰って思いっきり弾いてみたら、、、

???????

このギターはモンスターだあああああ!!!

大音量でドカンドカン鳴りまくります。
制御出来ないし弾くのに体力を使って大変です。
でも楽し過ぎるぅ!!!

このギターに感触が似ている???



20数年前に壊れた指でも弾けるギターを探してたどり着いた川田さんの初期のワッフルバー
ブレーシングは当然ワッフル
裏板は羽目板状の2重構造
ピンブリッジ
爆発的な音量と豊かな響きの特別なギターです。


一瞬、「プレスティってニューコンセプトギターなの???」って思っいましたが、、、
一日弾き込んで鳴りが良くなったら、落ち着いてきて弾きやすいギターになりました。
三日目の今日は太く優しく心地よい音が出始めています。


それにしてもプレスティってブーシェモデルだったはず??
ブーシェにしては音量が凄い!!
重量も2.84kgはブーシェモデルにしても重すぎます。

プレスティはブーシェモデルで無く、川田さんオリジナルの構造なのかも?

川田さんに教えてもらいました。
プレスティは故稲垣さんとの対話で「トーレスタイプのブーシェの高音にオリジナルブーシェの低音を持ったギターがあれば最高」との言葉を受け制作したモデル。
稲垣さんへのオマージュなギターで、ブーシェの内部構造をベースにした川田さんのオリジナルな構造です。
川田さんに表面板の写真を送ってもらいましたが、6本バスバー+駒下トラベルスバーでした。
力木の形状はかなり凝っていて色々と削り出して整形されています。

これが上から下までどの音も良く鳴って、サスティーンの長い重低音と太く力強い高音を両立させる秘密だったのですねえ。
しかも他のギターとは別次元の弾きやすさで、今まで弾けなかった曲が川田プレスティでは弾けてしまいます。

毎日変化しつづける川田プレスティですが、このまま弾き込んで5年、10年そして20年と経ったらどんなギターに成長するのか楽しみです。
それまでは私も生き延びていかないとね!!!


何故か一度もこのブログに取り上げていなかったギター

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手に入れたのは去年の5月頃だったと思うのですが、、、、








何故かブログを読み返してもこのギターが出てこない???
どうして???

去年の5月頃はブログをまったく更新していなかった。
そしてその後に体の具合が悪くなって、そして1回死んで生き返って、、、

退院して社会復帰してからも、こんな事を考えたりして
          ↓
     「少しダークな妄想」

購入後、ほとんど弾いていない状態で、楽器屋さんに委託してしまっていました。

退院してから1年が経ってみて、「そんなに簡単には死にそうに無い!!!」様子なので、手放さずに自分で弾いて楽しむ事にしました。
預けていた楽器屋さんからお持ち帰りです。




見た目は普通です。
普通のギターです。
地味です。
「華麗」とか「オサレ」とかとは無縁な無骨なギターです。




裏側も地味です。
一応ハカランダって聞いていましたが????
地味過ぎる柾目がローズウッドに見えてしまう。
これで本当にハカランダだったら凄いんですけど、、、
どうなんですかねえ???



糸巻きはたぶんフステロ。
地味ですが、よく見ると味わい深い糸巻きです。



この地味なギターはバルベロ・イーホです。
口輪もラベルも普通です。


バルベロ・イーホは個体差の大きな製作家です。
意図して色々と作っているのか、意図せずに出来が変わってしまうのか???
ラベルが同じなのに個体差があるのは、後者の様な気がする。。。


このバルベロ・イーホの性格はひたすら素直でおおらかです。
もの凄く腰の強いギターですが、素直でおおらかな反応なので弾きやすい。
弾きやすいギターはバルベロ・イーホにしては珍しい???
手強いギターが多い印象です。

音色も素朴で素直で心地よいです。
とんがった所の無い、まろやかな音色です。
上から下まで弱点が無くてどの音も良く鳴ります。
力強い音で良く鳴ってくれます。

弾いていてひたすら楽しいギターです。


何故か一度もブログに登場しなかったギターのお話しでした。







さらばアンドレア・タッキ、そして変な名前のギターがやってきた。

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アンドレア・タッキを手放してしまいました。。。。

地鳴りの様に鳴り続ける重低音に深く暗さを秘めた美しい高音
上から下までどこにも弱点の無いギター
音量もあったしね。





こんなに素晴らしいギターを手にする事は二度と無いでしょう。

でもねえ、どんなに素晴らしいギターでも弾けなければ持っていても仕方が無いのです。
今の私にはタッキの弦をしっかりと弾く筋力が残っていません。
年齢を考えても多分一生弾ける様にはならないでしょうしね。


そんな訳でタッキを手放した代わりに、私でも弾ける様な簡単に音の出るギターを探してみました。
アホですなあ。


タッキを弾きこなせなかった一番の理由は、高音弦のリリースポイントの深さです。
弦に右指の先をプラントしたら、圧力を加えて押してから弾かないと、タッキらしい深く太く暗さを秘めた音が出てくれません。
楽器が弦にもっと圧力を加える事を要求してくるのです。
無意識に無理して右指で弦を押しつけて弾こうとするから、力んで関節が硬くなって歪んだ音が出てしまう。
そして体中の筋肉が硬直して指が動かなくなる。

今回は音の魅力よりも弾きやすさ優先で楽器探しをしました。
浅いタッチで右指先を弦にプラントしたら、押さずにそのまま指先をスルーしても鳴ってくれる楽器です。
そういう楽器でないと今の自分には弾けません。

その結果がこのギターです。
あっさりと現れました。
いつもの楽器屋さんで店長さんに「弾きやすいギターはどれ?」って聞いたらお勧めしてくれました。




見た目は普通です。
何のオーラもありません。




裏板はかなり赤っぽい???
マダガスカルローズですって??
こんなに赤かったっけ???




糸巻きはアレッシー!!!
これはちょっとうれしい!!!
アレッシーは見た目も美しいし、使い心地も良いです。




ケースは新品のカモフラージュをサービスで付けてもらっちゃいましたあ!!
これもうれしい!!
さすが新品のギターを買うと違いますなあ。


購入したギターは



カルロス・ファン・ブスキエル

へっ???
「ブス消える」だってえ???
とんでもない名前ですなあ。

スペインの若手製作家のギターです。
音は普通に良い音です。
高音は美しい良い音ですが個性的では無い。
低音もしっかりとした音ですが迫力はそれ程でも無い。
上から下までそれなりの音量で鳴って弱点はありません。
例えると「面白みは無いが真面目で感じの良い近所で評判の優等生」みたいなギターです。

色々な意味で、タッキを手放してまで手に入れる楽器では無い???
ところがそうでも無いのです。

この楽器の突出した特徴は「とっても簡単に音が出る」事です。
名器と言われている楽器は弾き手を選びますが、このギターは誰でもOKなのです。
弦を押し込む必要がまったくありません。
右指先を弦に浅く乗せたら力を抜いてそのままスルーするだけでしっかりと鳴ってくれます。
こんなに簡単に弾ける楽器は初めてです。
簡単に音が出るので、美しい音を出しやすい。
個性的では無いけれども水の様に透明で癖ののない音のギターです。
一音入魂で弾いたら名器からでる様な魅力的な音に負けますが、曲を弾くと私レベルでは簡単に弾けるギターの方が美しい音を維持しやすいのです。

筋力の低下した病人にはピッタリのギターです。
こういうギターを弾いていると良いリハビリにもなります。
ブスキエルで練習をしていると、今まで弾けなかったフレドリッシュも良い感じで弾ける様になってきています。

このままブスキエルでリハビリがうまくいけば、もう一度普通にギターが弾ける様になる気がしていたりします。
新しくギターを買う度に同じ事を言っているので当てにならないですけどね。




ブスキエルの前に来た物

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ブスキエルの前に実は1台のイタリアンなのがが私の元へ来ています。






2017年のマルコ・マグオロです。

邦人製作家のギターを委託に出したら次の日の朝一番で売れたので、前から気になっていたこのギターをちょこっと試奏してみました。
イタリアのギターは危険だなあ。。。

トーレスSE114のコピー
6弦開放弦がド~~~~ンって鳴るのです。
高音はちょっとだけ暗さも秘めていて良い音です。
トーレスモデルはアホっぽく聞こえる位に軽く明るい高音のギターが多すぎます。
トーレスはそんな音では無い!!!

このギターはトーレスと言うよりもちょっとだけシンプリシオっぽいかなあ???

楽しいのです。
このギターは楽しいギターなんです。
音色の事とか戦闘能力とか弾きやすさとかは置いておくとして、弾いていてひたすら楽しくなってしまうギターだったのです。
弾き心地が良いのです。


結局は委託に出してあったもう1台のドイツの楽器を下取りしてもらって買っちゃいました。
アホですねえ。
でも2台手放してますのでギターは増えていません!!!
むしろ1台減っていますう。







糸巻きはアレッシー
これはうれしい!!
見た目も美しいし動きもスムーズです。
やっぱりイタリアのギターにはアレッシーが似合います。






裏板はローズウッドだったかな?
後ろ姿もフォルムが美しい。






ヒールに掘られたイニシャル
これはちょっとね、、、、





付属のケースは普通のアランフェス
シールが貼ってあるだけでオサレ度アップです。





マグオロさんんからのお手紙付きです。
プロフィールとかこの楽器の製作意図とか使用上の注意事項とかが書かれています。
イタリア人の製作家はこういう心遣いが良いですよねえ。
タッキさんなんかはギター1台毎に違う記念品を付けていましたしね。


ほとんどデットストックだった楽器のため、まだまだ鳴りきってくれていません。
それほど頑固に堅く作られた楽器では無いので、すぐに鳴り出してくれるとは思うのですが、、、
弾き込みが必要なギターが目白押し状態で、マグオロの弾き込みは後回し状態です。


一番頑固な川田さんのプレスティ
未だに「まだまだこれから」と主張している山本さんの猫ギター
すぐに鳴ってくれそうだけど、買ったばかりで鳴っていないブスキエル


それからもう1台
完全に長い眠りについてしまっていたギターが新たに加わって、、、


ブスキエルの後に来た物

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そんな訳で(←どんな訳だ???)、ブスキエルの後にも1台ギターがやって来ています。

タッキを手放したんだから、ブスキエル1台じゃあ満足出来ません!!!(←きっぱり!!!)

イタリア→スペインときて今度は南アフリカ?です。
あれ???もしかしてスイスかな???









南アフリカとスイスで古楽器を作っていたヤコブ・ファン・デ・ゲーストの1964年製作のギターです。


古楽器の名工の作った60年代のギター
ゲーストはギターをあまり多くは作っていないらしくその存在も知らなかった。。。
もしかしたらもの凄く良いギターなのでは?

古楽器奏者のTさんのHPに売りに出ていて前から興味がありました。
無骨で音の芯の強い60年代らしいギターが1台欲しいって思っていました。
タッキが売ってしまって、簡単に音の出るブスキエルを手に入れて、、、
そしてTさんのスタジオへ試奏に行きました。




ヘッドのデザインは個性的です。
ちょっと無骨で60年代っぽいですね。




ペグは古いライシェル
激渋です。
古いマシンは良いですねえ。
ただし動きは少しガタが来ていて使いやすくは無いかなあ、、、




ブリッジは年代を考えると傷みが少なくて状態が良いです。
デッドストックっぽいです。




裏板は柾目の美しいローズウッド系
最近の私の持論は「ローズウッドだろうがハカランダだろうが柾目の方が反応が素直で弾きやすい」です。
ボディサイズは普通ですが軽い楽器です。

表面板には謎の大量キズがありますが見た目は気にしません。
大事なのは音です。

音を出してみます。

あれ????
まったく鳴らない、、、
まるで丸太に張られた細いロープを弾いているみたいな感触です。

でも弾き込めば良い感じで鳴り出す様な感触があります。
「活き作りにされた石鯛が、断末魔でビクッビクッって動く」時の様な感触が弦を弾く指先に感じられます。
この感触があるギターは意外と早く鳴り出すのです。

1時間くらい弾いていたら少し音が出始めました。
中々良い音です。
低音に迫力を感じます。
高音は柔らかくて透明で強い音です。
良い音です。
もしかして弾き込んで本格的に楽器が鳴り出すと名器に化けるのでは???

お持ち帰り決定です。

家に帰って弦を張り替えて弾いてみたら、、、
まったく鳴らない!!!!
また深い眠りについてしまっていますねえ。
3時間位弾いていたらようやく鳴り始めました。

それから2週間強、一生懸命に弾き込んでいます。
朝は必ず楽器が寝ぼけています。
1時間位で起きてくれます。
それでもまだまだ完全には目覚めていません。
毎日鳴りが変わっています。
最近は美しい響きも出てきています。
名器に化けると信じて弾き込みを続けています。

とりあえずは年明けに山本さんの工房で修理・調整かな?

2020年の振り返り

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もうすぐ今年も終わりですねえ。
来年も我慢の年は続きそうです。


そして個人的な今年の振り返り


また1年間生き延びました。

あいかわらず太っています。

そして今年もギターをたくさん買い換えました。

アホですねえ、、、




振り返りは以上です。


今年はギターの入れ替わりが激しかった。
そろそろ持っているギターの確認をブログでしておかないと、後で自分でも訳が分からなくなりそうです。

そんな訳で現在所有しているギターの確認です。


6弦のモダンクラシックギター(スパニッシュギター)は10台です。
相変わらず多すぎですが、一時期に比べればずいぶんと減っています。


今年手に入れたのが4台



ヤコブ・ファン・デ・ゲースト 1964







ホアン・カルロス・ブスキエル 2019







マルコ・マグオロ 2017







川田一高プレスティ 2019


手前の黒いギター



ここまでが今年手に入れたギターです。
私にしては珍しく新品で購入したギターばかりで、深い眠りについているゲーストも含めて、弾き込みが必要なギターばかりです。
何の心境の変化なんだろう????



去年手に入れた中で残っているのはこの1台だけです。

バルベロ・イーホ 1992







一昨年購入して残っているのも1台だけです。

山本敦史 2018






山本さんの猫ギターだけです。



2017年は大量10台のキワモノギターを手放しています。購入したギターは残っていません。


2016年も1台だけ、、、


長沢 仁美 2016







2014年購入で新構造(ニューコンセプト)ギターが2台残っています。


ヒロキ・テラシマ 2010









オーデラック 2000









もっとも所有期間が長いのがこのギター


フレドリッシュ 1967





購入は2010年
もっと長い間このギターで苦労していると思っていましたが、まだまだ10年です。
美しい音色と響きの魅力は、所有ギターの中でもダントツですねえ。


ジストニアになる前に弾いていたギターは全て手放してしまっていますし、大好きだったギターを何台も弾きこなす事を諦めて手放してしまっています。

これ以上増やさない様に気をつけないとねえ。。。。。



山本篤史さんの新作ギターを弾いてきました。

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4月になりようやく暖かくなってきました。

あれ???
いつの間にか4月です。
今年になってからまだ一度もブログを更新していませんでした。

こうなるとブログタイトルの「腱鞘炎(ジストニア)日記」は嘘表記ですなあ。
今後はブログタイトルを「腱鞘炎(ジストニア)季記」あるいは「腱鞘炎(ジストニア)年記」に変えないといけません。
だいたいジストニアの症状もすっかり出なくなっているしねえ。

面倒なのでブログタイトルは変えません。
これだけ更新していなければ、そろそろ訪れる人もいなくなっている事でしょうしねえ。


ここから本題です。

4月に入って少し暖かくなってきましたので、ギターの修理調整をお願いしに山本さんの工房へ行って来ました。

山本ギター工房


山本さんの工房へ行くのには地下鉄だけでは無く、バスにも乗らないとなりませんが、バスは窓が開いていて寒いんですよねえ。
体が冷えると咳が出てしまう(入院中からずっと続いている症状なので、コロナとは関係無い)ので、周りの人に気を遣います。
ようやく暖かくなってきましたので、ギターを担いで電車とバスを乗り継いで1時間半掛けて行って来ました。

今回山本さんに修理・調整をお願いするのはこのギターです。






クリストファー・ディーンの1990年のファニーフェース
見た目はちょっとバカっぽいですが、ディーンらしい真面目で穏やかな性格のギターです。
内部構造は普通です。
基本はファンブレーシング

今は絶滅した?ピンブリッジが時代を感じさせせます。





裏側は普通です。


このギターピンブリッジがガタガタに削られているせいかビーンって異音が混じります。

山本さんに全体をチェックしてもらって、修理調整をしてもらいます。


久しぶりに山本さんの工房へお邪魔したら、新作ギターが出来上がっていました!!!



写真を撮ってきていないので家にある2年前に作られた猫ギターさんの写真です。
見た目は同じですから。

この新作ギターは製作期間が1年半くらい掛かっているのでは?
出来上がって弾かせてもらうのを楽しみにしていました。

じっくりと丁寧に作られた新作ギター!!
本当に素晴らしいです。

高音の上品な色気に痺れました。
真剣に欲しくなった、、、、、
すでに山本さんの猫ギターさんは家に1台いるので、さすがに買いませんけどねえ。
それでも一瞬、自分のギターは委託で売りに出して、こっちを買い直そうかって真剣に思ってしまいました。


新作ギターは今までの山本さんの猫ギターさんとはかなり違う性格のギターです。
簡単に反応良く鳴るギターです。
今までのギターよりも現代的かな?

でも音はしかっりとした良い音で、輪郭がはっきりとした明快な音です。
低音も芯のある明快な音で響きも感じます。
簡単に音圧を上げ下げ出来ます。
ダイナミックレンジが広い!!!
音色の変化も付けやすくて、凄く戦闘能力が高い。
基本的な性能はブスキエルやマグオロを超えている気がする。


そして今までと一番違うのは高音です。
艶やかで色気がある音に変わっています。
これが素晴らしい!!!
しっかりとした乾いた音なのに色気があるのです。


今までの山本さんの猫ギターの高音は、鋭く空間を突き抜けて行く様な音で、それはそれでとても魅力的です。
でも今回の妖しい色気に溢れる高音の方が私の好みだったりします。

山本さんご本人は、新作ギターが意図していたのと違う方向へ行ってしまい、次回作ではより突き抜けた高音と引き締まった低音を目指して製作される様子です。
次回作は、引き締まり突き抜けた音と妖しい艶に満ちた色気溢れる音が共存する様な、とんでもない魅力のギターが出来上がってくる予感がします。


山本さんは本当に凄い。

風呂上がりに鶏カラをつまみにビール飲みながら弾く

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本当は健康のためにビールでは無く発泡酒を飲んでいるのです。
通風は痛いからねえ。

高級なギターにとって風呂上がりのおっさんは天敵です。
裏板がすぐに真っ白に変色しちゃいます。
気にせずにそのまま何日も「風呂上がり弾き」を続けると、塗装が剥がれます。

でもねえ、、、

風呂上がりに美味しくビール(発泡酒)飲んでいると、ギター弾きたくなるんですよお。
弾いて一口飲んで、一口飲んで弾いて、、、
当然ですがおつまみだって食べちゃいます。

風呂上がりのビールに合う3大おつまみ

鶏カラと餃子とポテチ
油っぽいですなあ。
箸を使って食べていても、ギター弾く前にはきちんと石けんで手を洗いたくなる。

がさつな私でも、さすがに飲み食いしながら川田プレスティや山本さんの猫ギターを弾くのはちょっと気が引けます。
そうかと言って、量産ギターの音は酔っ払いながら弾いても楽しくない。


お風呂上がりのビールに鶏カラ専用ギターが欲しい!!!

音は味わいのあるのが良いですねえ。
深くて暗くて艶っぽくて、ちょっとだけ品のよろしくない色気のあるギター
鳴りが良くて響きがあって弾き心地の良いギター

う~~~みゅうう。。。
20世紀初頭のヌニェスですなあ、こりはあ。

1920~30年頃のカサ・ヌニェスのシンプリシオっぽい物は、昔は安くてローズウッドの通常モデルなら現地価格で25万円位で手に入ったんですけどねえ。
裏板がイナゴ豆の物だと安くて10万円切ってたっけ、、、

今は現地にも良い物が無いのかなあ、、、

日本の楽器屋さんで、良いヌニェスが出ると結構なお値段になっています。
川田プレスティや山本さんの猫ギターよりも確実に高いです。
風呂上がりになんてもったいなくて弾けない。


程良いギターが無いかと、ヤフオクやらJ-guitarやらをこまめにチェックしていたら、それっぽいギターが町田のショップで売りに出ているのを見つけました。




Antonio Lagos 1985年

アルゼンチンの庶民的なギター
たぶんクラシックでは無くタンゴやフォルクローレで使われていたギターなのでは???



楕円の口輪がちょっとシノポリモデルっぽいけど、違うでしょうねえ、、、、



裏・側板は正体不明の板目の材料
和室の天井板みたい?


お値段がかなり安い!!!

7万7千円

個人製作家のギターにしては安すぎる。
工房品にしても安い!!

同じ個体が別の名古屋のショップで25万800円(特価で17万位?)で出ています。
こちらの方が登録が古いので、名古屋で17万位で買った人がすぐに町田のショップに安くで売ったのかも???


さっそく試奏をしに町田へ行って来ました。

作りはちょっと雑ですが、それも味わいです。
ネックが丸太の様に太いのに、何故か弾きづらくは無いです。
弦長は640mmとほど良い長さ。
ボディも小ぶりで良いですねえ。


まだ眠っている様子で反応は少し鈍いですが、そんな状態でも良く鳴っています。
高音のハイポジションが渋いですが、弾き込めばすぐに鳴り出すでしょう。
低音がドカンと来て高音が太く心地よい音がします。
意外にもクラシカルな音です。

もっとチープな「場末のスナックで艶歌」っぽいギターを想像していたのですが、これならば普通に使えてしまう音です。
ビールに鶏カラで弾くにはちょっと本格的すぎるかなあ???
7万7千円はギターとしては安いですが、私にとっては安い買い物ではありません。
それだけあれば「まるや」さんで、「天然生本マグロの鉄火丼」が35杯くらい食べられますしねえ????



そんな訳で、、、、

Antonio Lagosは今、私の家でぶら下がっています。




収納棚にフックを取り付けて、そこにぶら下げてあります。
ビール飲んでいて弾きたくなったら、手が伸ばせばすぐに取れます。

良いですねえ。
酒飲みながらアルゼンチンのギターを弾く。
至福の時間ですなあ。





世紀末スパニッシュ幻想ギター

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世の中にはとんでもなく変な物を真剣に作ってしまう人がいるものです。




ピカソの描いた絵画「老いたギター弾き」の中のギターをそのまんま再現して作った人がいます。










絵に描かれている通りに歪んだ形のギターです。
貧乏臭さを出すため?に表面板は古い解体された北米の橋で使われていたスプルース。
塗装は生漆です。
ムラムラに黒ずんだ色合いがたまらなく良いです。




コフインケースも美しい仕上がりです。
塗装のセンスが良い!!!

「老いたギター弾き」が描かれたのは1903~4年なので、19世起末のスペインで作られたギターって設定なのでしょう。
忠実にピカソの絵をトレースしながらも、細かい所は世紀末スパニッシュのセオリーで作られています。
音と弾き心地はまさに19世紀末のスパニッシュギターです。

19世紀ギターよりもしっかりとした音で、サスティーンは19世紀ギターほどは長くない。
モダンギターほど重く鈍い音では無く、軽くて心地よい音がポンポンと飛びだしてきます。
6弦の開放弦はドーンと重たい音かも。
弦の感触も心地よいです。
要は良く出来たトーレスの小型ギターのコピーモデルっぽい性格ですね。





ほとんど無名の製作家で、全て独学でギターを作っているとの事です。
奇才かな???
ギターの製作が常に形状から入るかなり特殊なアプローチ方法。

「ギターを絵画や彫刻のような美術品と捉え製作しています。楽器そのものが高い芸術性を持つ美しいギターを目指しています。美しい音色は美しい造形に宿ると信じています。」
との事です。
面白い製作家です。

美しい造形に拘り抜いて丁寧に作られた結果は、美しい音に現れています。

狭い弦幅、押さえにくいバーフレット、張りの弱い弦の感触等、忠実に世紀末スパニッシュを再現しているため、まだまだ慣れずに弾きこなしていません。
そんな状態でとりあえず弾いた演奏です。

Salvador BACARISSE Elegie


演奏のせいで音の良さが伝わらない????

こちらの方が演奏のミスは多いけど音の良さはまだ伝わるかも??



酒を飲んでいると弾きたくなるギターですなあ。
生漆は塗装が強いので、大丈夫なのです。
たぶん。。。

ピカソでラグリマ

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弾いています。

たぶん今まで生きてきて、まだまだ遊び足りない気分なんだと思います。
もっともっと遊んで生きていたいんでしょうねえ。

だから酒飲むと他のギターでは無くピカソを手にしてしまいます。



それはそれとして、19世紀末スパニッシュスタイルギターであるピカソにはタレガの曲はピッタリです。

Lagrima(F.Tarrega) guitar Masashi Takata 2021 - No.046Picasso


このギターの表面板の生漆塗装の渋い光沢がたまらなく好きです。

楽器も少し鳴りが良くなってきていますし、弦幅の狭さにも少し弾き慣れてきていますので、あまり苦労する事なく弾ける様になってきています。
この楽器でマンホンの曲とか弾いたら凄く良いと思うのですが、まだまだ先の事になりそうです。


もっともっとこれからも遊んで生きていきたいと思う今日この頃です。

エンリケ・サンフェリュー・ジュニアとミゲル・シンプリシオ

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エンリケ・サンフェリューの事を少し調べてみています。

エンリケ・ガルシアの外弟子です。
オールドスパニッシュのバルセロナ派です。
でもシンプリシオと比べると極端に人気が無いのです。
過去に1台だけ弾いた事がありますが、シンプリシオ程には魅力的な音色では無かった記憶があります。
やや素朴なオールドスパニッシュでした。

経歴もあまり詳しくは分かりません。

1882年にスペインのバレンシアで生まれた事。
フアン・エストルックの工房で働きながら、エンリケ・ガルシアに教えを受けていた事。
バルセロナでギターを作っていた事
バリオス・マンゴレや当時の最高峰のソプラノ歌手(名前忘れた)が所有していた事。
古賀政男記念館に1台飾ってある事。

それだけです。
いつ死んだのかも分かりません。

エンリケ・サンフェリューの1935年のラベル




1939年のラベル




1939年のラベルには「Junior」の文字があります。
息子が作ったギターって事でしょう。

1936年から1938年のラベルは確認出来ませんでした。
エンリケ・サンフェリューは1935年から1939年のうちに死亡し、それまで一緒にギターを作っていた息子が工房を引き継いだって事なんでしょうねえ。



Enrique Sanfeliu Junior 1939 - beautiful classical guitar


エンリケ・サンフェリュー・ジュニアなんて今まで存在も知りませんでした。
当然ですが、「Junior」の文字が入っているギターの方が値段が安い。
お父さんの半額以下です。
お父さんのラベル時代も息子も一緒に作っていたはずなので、楽器の品質はあまり変わらないのでは?



もう一人バルセロナに未知の製作家.がいました。

ミゲル・シンプリシオ

Miguel Simplicio 1963 - successor of Francisco Simplicio


なんとフランシスコ・シンプリシオの甥っ子です。
シンプリシオの弟子で工房で一緒にギターを作ってた人です。
フランシスコ・シンプリシオ・ラベルのミゲル・シンプリシオなんてギターが実際に存在しています。
そしてシンプリシオの死後に工房を引き継いだらしいです。
なのにその名をほとんど知られていない。
私も知らなかった。
でこの人のギターもシンプリシオに比べて安いのです。
1/4以下です。
60年代のギターなのでオールドスパニッシュとは言えませんが、正真正銘のシンプリシオの後継者のギター
なかなか魅力的です。


もうすぐ一度死んで生き返って来てから2年が経ちます。
2年間頑張って動いている私の心臓への感謝のプレゼントにどちらかのギターを買っちゃおうかなあ??
心臓も喜ぶ事でしょう(←そんな訳ないか)

お父さんも息子も区別無し?

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マルセロ・カヤトが弾く1947年のエンリケ・サンフェリュー・ジュニアのギター


Marcelo Kayath plays El Noi de la Mare (arr. Llobet) on his 1947 Sanfeliu on Brazilian TV



そうか、、、、
お父さんでも息子でも普通に「エンリケ・サンフェリュー」って表記されているんだ、、、
だからジュニアは存在が知られていないのか。。。
それにしても美しい演奏!!





これは特別なサンフェリューですねえ。
GSIのHPに載っています





こちらは‎イザベラ・セレリー‎の弾く1946年のジュニア



4 Rare Guitars - One Piece: Isabella Selder plays Cello Suite No. 2 BWV 1008 IV Sarabande J. S. Bach


演奏と録音が良すぎてハウザー2世と切り替わっても差があまり無いなあ、、、
ハウザーよりも音が心地よい。
もしかして私は貧乏耳????
フレタやハウザーに比べて慎ましく素朴なギターって印象です。

こちらも中々良いサンフェリューです。


こちらはsiccasguitarのHPに載っています。





そしてジュニアのフラメンコギター
こりも良いなあ。。。。
GSIで扱ったギターですね。


Soleá played by Juanito Pascual




3台のエンリケ・サンフェリュー・ジュニアのギターはさすが有名ショップが扱ったギターだけあって美しい。
しっかりとお金を掛けて直したホレボレとするビジュアルです。
高価な売り物ギターですねえ。



しかし私はこれ位汚いギターが好き!!!



たぶん塗装もオリジナルのままですかねえ。
古い楽器は塗装やり直しちゃうと音は引き締まりますが、響きや弾き心地が鈍くなっちゃうんですよねえ。
あまりにも塗装が劣化してると音がやさぐれちゃったりしますが、1939年製ならたぶん大丈夫でしょう。


そんな訳で、、、、、(←どんな訳だあ???)
この汚いギターは今、ドイツからアメリカへ向かっています。
日本に到着するのはいつになるのかなあ?
楽しみ楽しみ!!!


委託中の某楽器がたぶん近日中に売れると想定してポチっとしてしまったあ。
馬鹿ですねえ。
売れなかったらどうするんだろう???

カリフォルニアの空の上

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飛行中です。

エンリケ・サンフェリューのギターは、ドイツから発送されて今日アメリカへ到着しました。

日本到着はまだまだ先ですねえ。。。
待ち遠しいなあ。

なんて思っていたらすぐに日本に向けて発送されたあ!!!
サンフェリューはカリフォルニアの空の上かあ。。。


とりあえずギターの写真をアップです。
販売店のHPにあった写真です。
この写真見ただけで、購入を決めたんだよなあ。
よくやるよなあ、、、、




表の全体像

見た目は粗大ゴミ状態。
でもこの汚さが良いのです。

汚いギターの良い所

①汚いのはず~~っと弾き続けられて来た証拠です。良いギターだからこそ80年間も捨てられる事なく弾き続けられてきたに違いありません。。。たぶん。。。
②売り物として綺麗に厚化粧の塗装をされてしまったギターは、鳴りも弾き心地も響きも渋くなってしまいます。まあそれが良いって思って塗装する人達がいるのでしょうが、、、私はせっかく長い年数を掛けて弾き込まれたのだから汚いままの古いギターが好きなのです。
③元々汚い状態なので取り扱いは気楽です。以前、舞台の上で自分のギターをぶつけて大騒ぎした上に、そのギターがいかに貴重品であるかを語った人を見かけましたが見苦しいです。ボロボロのギターならばちょっと位ぶつけてキズが増えても気になりません。




少しだけアップ
う~~みゅう拡大されると、粗大ゴミ感もアップします。




裏側
表に比べるとまだ少し綺麗かな???





裏側の少しだけアップ
拡大してもぜんぜん粗大ゴミ感はありません。





ヘッド
ひたすら地味ですが、センスが良いです。
高価バージョンのサンフェリューのド派手なヘッドも良いですが、ラインだけの簡素なヘッドも好感がもてて良いです。
あれ????ラインに見えるのは装飾が剥がれた跡じゃあ無いよなあ???たぶん。。。






口輪
バルセロナ感が無いなあ。
ほとんどバレンシア風です。
けっこう手が込んでいます。

少し見えてるラベルには「Enrique Sanfeliu」の下に小さく「Junior」の文字。





ブリッジ
普通ですが、使い込まれている割には痛みが少ない気もします。
交換されている可能性もあるかなあ?
細かい事は気にしません。


そんな訳でこの汚いギターはもうすぐ日本到着の予定です。


Enrique Sanfeliu Junior 1939 - beautiful classical guitar


エンリケ・サンフェリュー到着

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まだ到着のご報告をしていませんでした。

7月20日に到着済です。

こんなギターです。





実物を見ると写真で見たのと変わりなく粗大ゴミ感満載です。
でも写真よりも少しダークな色合いでなかなか味わい深いビジュアルです。
良いですねえ、渋いですねえ。
塗装ははぼオリジナル。

私は、売り物にするために表面板を削ってその上に厚く塗装をされてしまった美しいオールドギターよりも、道具として使い込まれた汚いまんまのオールドギターが好きです。





エンリケ・サンフェリュー 1939年
バルセロナのギターです。
エンリケ・ガルシアの外弟子で、直系のシンプリシオは兄弟子になります。
実際はそのエンリケ・サンフェリューの息子が作ったギターです。




裏側も汚い。
材質はローズウッド系かなあ???
汚くて判別出来ない。




口輪は写真で見るよりもかなり良い感じです。
色合いがダークなのでバルセロナらしさが出ていて好ましいです。




ヘッドはひたすら地味ですがシンプルさに趣味の良さを感じます。
目立たないラインが二筋、同色の埋木です。
サンフェリューでも高級品はコテコテの装飾が施されていますので、このギターはどちらかと言おうと当時は普及品だったのでしょう。





崩壊寸前の糸巻き
オリジナルですが、すり減って空回り寸前。
軸も割れた物を接着剤で無理矢理固めています。
こんな状態でもがたつきや遊びが無く、普通に調弦出来てしまいます。
古い時代の糸巻きは素晴らしいです。

それでも今後実用品として使っていく事を考えて、糸巻きは交換予定。



肝心の音ですが、、、

オールドらしい太く柔らかく心地良い音色です。
低音も重たい音で良く鳴っています。
高音も低音も力強い生き生きとした鳴りです。
基音が出たあとにウォーンって響きがまとわりついてくる感じはオールドならではです。
兄弟子のシンプリシオほどは引き締まっていなくて、お気楽な感のあるギター。
楽器の性格はシンプリシオよりも同時代のエミリオ・パスカルに近いかも?
でもパスカルほど繊細では無いかな?
もっと骨太な性格です。
少し音を出してみただけで、その魅力の虜になってしまいました。


注文してある糸巻き(フステロのエステソタイプ)が届いたら、山本さんの所へ持っていって全体的なチェックと修理をお願いして来ます。
糸巻き交換以外にサドル・ナットは当然交換。
表面板の割れと剥がれがあるので、これは今のうちにきちんと直しておかないとね。
パスカルの表面板をパンクさせた前科ありです。

久しぶりの個人輸入。
楽器が届くまでどんなギターか分からない。
博打ですね。
やっぱり面白いです。
日本では手にはいりづらい珍しいギターが手に入るのが楽しいですね。
アホですね。


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