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Channel: 腱鞘炎(ジストニア)日記
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世紀末スパニッシュ幻想ギター

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世の中にはとんでもなく変な物を真剣に作ってしまう人がいるものです。




ピカソの描いた絵画「老いたギター弾き」の中のギターをそのまんま再現して作った人がいます。










絵に描かれている通りに歪んだ形のギターです。
貧乏臭さを出すため?に表面板は古い解体された北米の橋で使われていたスプルース。
塗装は生漆です。
ムラムラに黒ずんだ色合いがたまらなく良いです。




コフインケースも美しい仕上がりです。
塗装のセンスが良い!!!

「老いたギター弾き」が描かれたのは1903~4年なので、19世起末のスペインで作られたギターって設定なのでしょう。
忠実にピカソの絵をトレースしながらも、細かい所は世紀末スパニッシュのセオリーで作られています。
音と弾き心地はまさに19世紀末のスパニッシュギターです。

19世紀ギターよりもしっかりとした音で、サスティーンは19世紀ギターほどは長くない。
モダンギターほど重く鈍い音では無く、軽くて心地よい音がポンポンと飛びだしてきます。
6弦の開放弦はドーンと重たい音かも。
弦の感触も心地よいです。
要は良く出来たトーレスの小型ギターのコピーモデルっぽい性格ですね。





ほとんど無名の製作家で、全て独学でギターを作っているとの事です。
奇才かな???
ギターの製作が常に形状から入るかなり特殊なアプローチ方法。

「ギターを絵画や彫刻のような美術品と捉え製作しています。楽器そのものが高い芸術性を持つ美しいギターを目指しています。美しい音色は美しい造形に宿ると信じています。」
との事です。
面白い製作家です。

美しい造形に拘り抜いて丁寧に作られた結果は、美しい音に現れています。

狭い弦幅、押さえにくいバーフレット、張りの弱い弦の感触等、忠実に世紀末スパニッシュを再現しているため、まだまだ慣れずに弾きこなしていません。
そんな状態でとりあえず弾いた演奏です。

Salvador BACARISSE Elegie


演奏のせいで音の良さが伝わらない????

こちらの方が演奏のミスは多いけど音の良さはまだ伝わるかも??



酒を飲んでいると弾きたくなるギターですなあ。
生漆は塗装が強いので、大丈夫なのです。
たぶん。。。

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